「理解できない」英語を聞き流しても全く効果はない。英語の後に日本語訳を聞いて意味を理解したつもりでも、単語や文の構造を理解していないなら同じことだ。
しかし、「理解可能な」英語であれば、聞き流してもある程度の効果は期待できる。英語を習得するには「理解可能な」インプット(読む・聞く)を大量に、そして継続的に取り入れることが不可欠なのだ。そのことに反対する言語学者はいない。
聞き流すより集中して聞いた方が高い効果が期待できるのは当たり前だ。また、聞き流すだけでは決して英語は習得できない。科学的な観点から、英語を効率的に習得するための注意点をご紹介!
英語聞き流しの効果 単語・文法・発音の知識の「自動化」が可能!
「理解可能」な英語であれば、大量に、そして繰り返し「聞き流す」ことで、単語・文法・発音の知識を無意識的に「自動的」に使えようにすることが可能だ。第二言語習得研究では、知識を自動的に使えるようにすることを「自動化」という。脳科学(神経科学)研究では「エピソード記憶」の「手続き記憶」化と表現する。
日本人は受験英語のおかげで比較的単語力と文法力はある。それでも話せないのはこの「自動化」ができていないからだ。話せない日本人にとってこの「自動化」は最重要課題といってもいい。
英語聞き流しの効果② リスニング力の向上が期待できる!
リスニング力を向上させるためには英語の発音に慣れる必要がある。英語の発音は日本人にとって最重要課題だ。単語と文法と同じくらい重要なのにもかかわらず、日本の学校教育ではあまり重要視されてこなかったからだ。
英語には日本語にない発音が多く、日本語にはあまり起こらない「音声変化」や、英語独特の「リズム」や「イントネーション」もある。80%以上理解できる英語素材を繰り返し聞き流すことでこれらに慣れることも可能なのだ。
単語と文の構造を理解し聞き流して定型表現を覚えよう!
よく使用される定型表現を繰り返し聞き流すことで体に染み込ませておき、状況に応じて単語を変えることができれば応用が効く。英語コミュニケーション力を飛躍的にアップすることも可能だ。ただし、状況に応じて単語を変えることができるようになるためには、単語と文法を十分に理解してから聞き流すことが必要となる。
単語の意味も、文の構造も理解せずにただ英文を「音」として丸暗記することはお勧めしない。応用が利かなくなるからだ。応用が利かないというのは、その表現にぴったりと合ったピンポイントの状況でなければ使えないということだ。そのような状況には滅多に遭遇しない。
重要なことは単語と文法と発音を意識すること。つまり、「文字」と「音」と「意味」をつなげることだ。知らない単語や文法項目があれば、必ず辞書や文法書で調べて理解してから聞き流すこと。単語や文法を理解することなしに英語は習得できない。
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