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執筆者の写真浩二 橋本

産休中、育休中マネープランニング


産休、育休中や育休明けの時短勤務期間は減収となるのに加え、子どもが生まれたら出費が増えることが不安というお悩みです。貯金は200万円ありますが、いざという時のために、生活費で切り崩し続けるのは避けたいということです。

収入減と出費増が同時にやってくる出産前後を乗り切り、貯金の切り崩しをできるだけ回避するためのマネープランをご紹介

子どもが生まれたら増える出費は?

子どもを妊娠、出産する際には大きな費用がかかるものです。




たとえば、出産費用は病院や分娩方法によって差がありますが、正常分娩であれば平均40~50万円程度が生じます。


 しかし、その分、妊婦健診で補助が出たり、一時金がもらえたりと、様々な支援を受けることができます。妊娠、出産する人全員が受け取れるお金には、妊婦健診の時に使える「妊婦健診受診票・補助券」や出産費用を補える「出産育児一時金」などがあり、子どもが生まれてからは、中学を卒業するまで「児童手当」が支給されます(児童手当は所得制限あり)。



 また、会社員であれば、産休中には「出産手当金」が出産の日以前42日から出産の翌日以後56日目までを対象として支給されます。

出産手当金は、標準報酬日額の3分の2がもらえます。また、育休中には「育児休業給付金」が受け取れます。
育児休業給付金は、子どもが1歳となる日の前日まで支給され、保育園に入園できないなどの事情があれば、最大で2歳となる前日まで受け取れます。支給額は、180日までは休業開始時賃金日額(育児休業開始前6ヶ月の賃金を180で割った金額)の67%、181日目以降は休業開始時賃金日額の50%となっています。


このように、特に会社員の場合、勤め先の健康保険や雇用保険から手当や給付が出ますので、出産や育児で休業しても全くの無収入になることがありません。ただし、そうはいっても普段よりは収入が減り、一方で、子どもが生まれるのに伴い出費が増加します。


出産で増える出費とは
・オムツや子どものベビーグッズ

出産前にはなかった出費の最たるものは、何と言ってもオムツやミルクでしょう。特に新生児のうちはオムツ替えが頻繁で、ミルクも子どもによっては消費量が多いものです。オムツ、ミルクだけで月1万円程度かかる場合もあります。また、赤ちゃんは衣類のサイズが定期的に変わりますし、その他必要なベビーグッズなどを都度買い足したりすると、出費は予想以上に膨らみます。


・水道光熱費

子どもが生まれて在宅時間が長くなると、水道光熱費が高くなります。沐浴、ミルクの調乳に水を使うほか、トイレ、洗濯の回数が増えるので、まず水道料金が上がります。また、赤ちゃんが快適な室温を保つため、冷暖房の使用頻度が高くなり、電気代も上がります。ガス代も、沐浴をしている間は多少高くなります。


・食費

赤ちゃんの月齢が小さいうちは、料理まで手が回らず、「総菜や宅食などを利用する機会が増えた」という人が多いようです。また、離乳食が始まると、子ども用の食材やベビーフードを購入するため、さらに食費がかさみます。


・お宮参り、お食い初め、写真撮影などのイベント費用

子どもの健やかな成長を願い神社にお参りをするお宮参りや、生後約100日で行うお食い初めなど、特に子どもが1歳になるまでは、様々な行事があります。それに伴い、必要な品や衣類をレンタルしたり、神社へ初穂料を納めたり、スタジオで記念撮影をしたりすれば、ここでも費用が発生します。


・内祝い

出産祝いのお返しとして贈る内祝い。内祝いは、いただいた金品の半額程度が目安となります。





このほか、妊娠や出産による体型の変化で母親も新たに衣類が必要になったり、産後ケアにお金がかかったりと、出産後は何かと物入りです。何も対策をしないまま支出していると、気づけば大変な額が出ていた…なんてことも。収入が減る中、出産後の出費増を食い止めるにはどうすればいいのでしょうか。


出産後の出費増を抑えるコツ

1.代用できるもので安く済ませる

マタニティウェア、マザーズバッグなど、妊娠中や出産後は、この時期ならではのグッズが多いものです。お金をかけて楽しみたいものですが、専用のウェアやバッグなどは高くつく場合があります。ファストファッションのXLサイズやメンズサイズを利用したり、旅行用の大容量バッグをマザーズバッグとして使ったり、代用できるもので工夫してみましょう。



2.ベビーグッズはレンタルとサブスク、お下がりで乗り切る

ほんの一時期しか使わないものでも、新品を購入すると数万円もかかることがあるベビーグッズ。出産前は必ず必要なものだけ厳選して購入し、いざ赤ちゃんが生まれてから「ないと困る」と感じるものを買うようにすると無駄になりません。また、ベビーグッズは今やほとんどのものが借りられますので、購入と比較して安ければレンタルを利用しましょう。月齢に合わせたおもちゃが届くサブスクリプションのサービスもおすすめです。


リサイクルショップにも、ベビーカーやチャイルドシートが格安で売っています。友人や親戚などが不要になったベビー服、ベビーグッズを持っていれば、ぜひ譲ってもらいましょう。



3.行事や写真撮影にお金をかけ過ぎない

赤ちゃんが生まれると、つい、行事や写真撮影にお金をかけ過ぎてしまう家庭は多いものです。たとえば、お食い初めは専用の食器をレンタルすると数千円かかりますが、100均グッズを代用すれば1,000円以内に納めることも可能です。写真撮影も、チェーン展開のスタジオより個人が運営するスタジオや出張撮影などの方が格安で撮影してもらえる場合もあります。よく調べて工夫すれば、費用をぐっと抑えることができるものです。


そのほか、赤ちゃん用品が買える店舗の割引デーをチェックしてまとめ買いをする、ポイントが分散しないように店舗を絞って購入するなど、少し意識するとお得に買い物ができます。

子どもが小さい時に頑張りたい貯金とは

なお、「子どもが小さいうちは貯め時」とよく言われますが、実際のところ、収入が減る中出費も増えることで「それどころではない」という家庭は多いものです。また、子どもが生まれるまでは毎月できていた貯金が全くできなくなった、という声もよく聞かれます。確かに、子どもが幼い時期は教育費がさほど高くはありませんが、赤ちゃんには意外とお金がかかりますし、産休や育休、時短勤務による収入減は家計に影響するものです。


そのため、「子どもが小さいのに貯金ができていない」と気にし過ぎることはありません。収入が減っているこの時期は、貯金を増やすことよりも、できるだけ貯金を目減りさせないことを意識しましょう。ただし、将来の教育資金や自分たちの老後資金のことは、しっかり考えておきたいもの。貯金を無理する必要はありませんが、児童手当は使わず貯めておく、iDeCo(個人型確定拠出年金)を月の最低掛金額(5,000円)で始めるなど、家計が苦しい時でもできる範囲のことはやっておきましょう。

新しい命を迎え入れる出産は、不安なことも多いものです。できれば、お金の心配はせず赤ちゃんのお世話に集中したいですよね。この時期は貯金が増えなくても気にし過ぎず、できるところで生活費をコンパクトにしながら出費増に対応しましょう!!


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