イタリアで毛皮の生産が禁止される。同国は毛皮生産を禁止する、ヨーロッパで16番目の国となる。グッチ、プラダ、ヴェルサーチなど、多くの高級ブランドが生まれたファッションの国、イタリアでの毛皮禁止の動きは、世界に大きな影響をもたらすと期待される。
イタリア上院の予算委員会は2021年12月、毛皮生産を永久に禁止する修正案を可決した。2021年内には議会の承認を得られる見込みで、イタリアは毛皮生産を禁止するヨーロッパで16番目の国となる。
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対象となるのは、ミンク、キツネ、タヌキ、チンチラなどで、これらの飼育が違法となる。同国に残るミンク毛皮農場は10ヶ所あるが、今後6ヶ月以内に閉鎖することが求められる。農林政策省は毛皮農家に対して、総額300万ユーロ(約3億8800万円)の補償を行うという。
今回の法案は、動物保護団体の「ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International、HSI)」のヨーロッパ支部との話し合いを受けたものだ。
HSIヨーロッパは最新の報告書「Mink Breeding in Italy(イタリアで飼育されるミンク)」で、毛皮農場を閉鎖しより人道的で持続可能なビジネスに転換するための実践的かつ戦略的解決策を提示している。
HSIは「イタリアの動物保護にとって歴史的な勝利」と声明で発表。「HSIヨーロッパの毛皮農場からの転換の提示が、この残酷なビジネスの終焉に中心的役割を果たしたことを非常に誇りに思う」と述べた。
ファッション産業が盛んなイタリアで毛皮禁止に
これまでファッション業界では長いこと毛皮が使用されてきたが、近年では多くのファッションブランドが毛皮を排除する方針を出している。
例えばイタリア発祥であるグッチ、プラダ、ヴェルサーチは、近年コレクションでの毛皮使用をすべて禁止。アメリカの大手百貨店、メイシーズやノードストロームなども毛皮の販売を廃止することを表明している。
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さらに、世界45か国・地域で刊行されているファッション誌「ELLE」は、記事や広告などの紙面で毛皮のプロモーションを排除する方針を明らかにしている。
ヨーロッパではすでに多くの国で毛皮生産を禁止する法律が制定されているが、ファッション産業が盛んで数多くのブランドが拠点とするイタリアで毛皮が禁止されたことは、大きなニュースとなるだろう。まだ毛皮生産が認められている国や、世界のファッションブランドに、大きな影響を与えてくれると期待したい。
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